11巻は、整くんと相良くんがバイトをします。続いて、整くんとライカさんのバレンタインデー、我路くん危機一髪。感想、あらすじ、考察を紹介しています。
あらすじにネタバレはありませんが、感想にネタバレが含まれています。あと、最後に鳴子についての考察もあります。
2022年6月10日発売。
『エピソード15 失われた時を重ねて』登場人物、あらすじ、感想
整くんが相良くんと「変わったアルバイト」をします。アルバイトが終わったあと、ほっこりした気持ちになる優しいミステリです。
登場人物
相良レン(さがられん) 整くんと同じ大学の同級生。7巻で登場。天真爛漫な性格。
坂巻(さかまき) 建物を管理している財団の理事。背の高いメガネ、ショートカットの真面目そうな女性。
桐江(きりえ) 秘書。ベレー帽の男性。
鈴木(すずき)くん 整くん、相良くん同様にバイトに参加した男性。
あらすじ
10巻で小さな子供の死に直面した整くんは元気をなくしていました。そこへ相良くんがあらわれ整くんを日給1万円のバイトに誘います。そのバイトの求人は「日本語の読み書きができる」「ひらめきがある」「集中して考えるのが得意」「真面目で騒がしくない方」と整くんにピッタリ当てはまるものでしたが、肝心の何をするのかは記載されていませんでした。
相良くんはバレンタインデーにはお金がかかると説明し強引に、心配する整くんを誘うのでした。
バイト会場は函館の旧函館区公会堂をマネて造った学校でした。集まった人たちは、教室内に案内され簡単な説明を受けると「誰かの日記」と思われる文章が書かれた用紙を配られます。
まずは文章を読んで30分以内に思ったことを書くように指示されます。30分後、呼ばれた人だけが残り後は返されました。
整くん、相良くんは残りました。
坂巻理事は相良くん、鈴木くん、整くんの考察を皆の前に説明するようにいいました。
相良くんは携帯を使って文章に書かれた日付を検索し、雨が降っていた日を特定し「日記」だといいました。
鈴木くんは各文の頭文字をひろって繋げると1つの文章「わたしのおもい」になるといいました。
整くんは文章が不自然なので「人に見せるために書かれた」といいました。
すると理事長はこの文章は22年前に書かれたもので、彼女の夫が書が書いた日記から抜き出したと説明しました。
そして、みんなが集まっている建物は小中高一貫の私立学園で、毎年卒生がタイムカプセルを埋め15年後のセレモニーで取り出していると話ました。しかし、ここの卒業生で彼女の夫が30年まえに1人で埋めたカプセルはいまだに見つかっていなく、夫の若年性認知症がすすんでしまい本人に確認することも出来なくなったと話します。
それでも夫はそれを見つけたいとずっと気にしている、色んなところを掘り返したが今だに出てこない、そこで第三者の視点を入れようと考え、皆さんに捜して欲しいといいます。
謎解きアイテム
●日誌
●学園の間取り図
●写真
●マンホール
感想(ネタバレあり)
今回のエピソードは殺人も犯罪も関係ない「愛情」を描いたお話でした。「愛情」の答えをさがすための謎解き面白かったです。殺人事件の謎解きも大好きですが、心が温まる謎解きのお話もいいですね、ホンワカした気持ちになりました。
認知症で人が変わったようになってしまった奥さんですが、埋めたカプセルのことを気にしていました。一見忘れてしまった「愛情」ですが今も「大切な人」なんだと伝わってくるようでした。とても素敵なご夫婦のエピソードで好きに思いました。
お話のエピソードも好きでしたが、整くんと相良くんの関係にも心がホッコリしました。
相良くんは7巻のアイビーハウスのときに登場しました。あのときは「明るく元気で思ったことをハッキリ言う、リア充な人」という印象でそこまで好きになれませんでした。
今回は、相良くんも中心人物として描かれていたので、彼は観察力があり頭の切れる、とても思いやりのある優しい人であることが分りました。
相良くんは漫画の登場人物ですが、整くんに感情移入して読んでいるので相良くんがどういう人かわかるまでは警戒していました。でも今回の話で相良くんは整くんを傷つける人ではない、整くんのことが好きなんだと分かりホツとしました。
整くんは相良くんの言葉に、赤面して照れた微笑みを浮かべていました。そんな表情の整くんが見れたことも嬉しかったです。まだ、傷つくことを恐れている様でしたが、そのうち信頼できる友人と「楽しい」という感情を共有できるようになったらいいなあと思いました。2人で笑い合う日がきたらいいなあと思います。
「ミステリと言う勿れ」は大好きな漫画で、主人公の整くんも大好きなので幸せになってもらいたいです。
今回のお話は自分のことの様に嬉しく思いました。
『エピソード16 果報の塩梅』あらすじ、登場人物、感想
整くんとライカさんで「赤玉の謎」を調べるバレンタインデートが描かれています。
あらすじ
大隣総合病院の桜のつぼみを見ているライカさんの元に、フルーツサンドを持った整くんがやって来ました。
病院のベンチに座って食べようと袋をあけたら、「け」と書かれた「赤玉」が入っていました。
「赤玉がなぜ袋のなかに?」
「赤玉」にこころ当たりがないと言う整くんに、ライカさんは「2人で整くんの足取りをたどってみよう」と提案しました。
2人は、フルーツサンドを買ったビルまでやってきました。(お店はビルの7階)
整くんは「買い物後、エレベーターに20分ほど閉じ込められた」といいました。
そのため、外に出られたときフルーツサンドの保冷材を確認しました。その時は「赤玉」は入っていませんでした。
つぎに2人は「大隣南銀座」商店街にやって来ました。(病院の前の通り)
2人が商店街を歩いていると、整くんの方を見ているおかっぱ頭の女の子がいました。
整くんが女の子に気がつくと、女の子は走って逃げていきました。
ライカさんはお腹がすきました。
そこで2人は、コーヒーを買って商店街にある「いこいのスペース」でフルーツサンドを食べました。
すると先ほどの女の子が電柱の影に隠れて整くんの方を見ています。
整くんが気づくと女の子は隠れてしまいました。
整くんはカフェで福引券をもったことで、いま商店街で福引が行われてることに気がつきます。
そこから「赤玉」は福引の玉だと分かりました。
2人は「福引の赤玉がどうして整くんの袋の中に入ったのか」手がかりをさがすために歩き出しました。
2人は商店街にある美味しい食べ物を食べながら、色んな話しをしました。
その間もおかっぱ頭の女の子は、影に隠れながら整くんのあとをつけていました。
登場人物
あいだ かのん おかっぱ頭の女の子。
やまなし けいた 青果店のむすこ。
年配の男性 商店街内のビルの住人。
池本 優人(いけもとゆうと) 大隣警察署巡査。(再登場)
整くんとライカさんが食べた物
大隣南銀座商店街で食べた物の紹介です。
整くんとライカさんはとても美味しそうに食べていました。
『エピソード16』の感想(少しネタバレあり)
今回は3回目のデートのお話でした。(バレンタインのデート)
1回目は「大鬼蓮美術館」デート
2回目は「初詣」デート
デートは、整くんの袋の中に入っていた「赤玉」がどこで入ったものなのかを調べる目的ではじまりました。
道ちゅうの整くんとライカさんがとても楽しそうで、読んでいてとても嬉しい気持ちになりました。
ライカさんは本当に美味しそうに食べていました。
食べてる時のライカさんは無邪気で、とても可愛いいと思います。
また、食べてるとき、歩いてるときに、2人はとりとめのない話しや、思い出ばなしをしました。
思いつくままに自分の話ばかりしてしまう整くん、話し方のぶっきらぼうなライカさん、2人は一生懸命はなして、優しく耳をかたむけていました。
そんな2人が愛おしく思えました。
今回は、事件というほどのエピソードはありませんでしたが、ちょっとした「お手柄」はありました。
こういったお話も整くんとライカさんと一緒に楽しめて、2人のことが知れて「好きだなぁ」とおもいました。
もうひとつ、ライカさんが整くんに「僥倖(ぎょうこう)」という言葉を伝えました。
「僥倖」の意味を調べると「偶然にえる幸せ」という意味だとわかり、涙が出てきました。
2人の幸せが壊れることなく続いて欲しいと願うばかりです。
『エピソード14.5 気づけば潮目』あらすじ、感想
我路くんと鳴子巽のはなしの続きです。我路くんの危機一髪にハラハラしました。
あらすじ
我路くんが大隣総合病院に来たところからはじまります。
我路くんはおばさんから「整くんがライカさんと頻繁に会っている」ときき、彼女に興味をひかれ病院に来ました。
桜のつぼみを見ていたライカさんは、生花の花束をもってやって来た男性を見て「生花の花束は禁止されている」と伝えました。
すると男性は知っていて持ってきたといいました。
ライカさんは男性が我路くんだと気がつきます。
ライカさんは整くんから我路くんのはなしを聴いていると伝え、整くんがかかわった事件で星座のアクセサリーと持ち主の名前を我路くんに伝えました。
我路くんはライカさんと会ったあとに、従兄の甲矢が乗っている車に乗り込みました。
甲矢は鳴子巽の天井裏での張り込みを辞める様にいいました。そこへ従弟の乙矢から電話がかかってきます。
鳴子巽が清花院学園のスクールカウンセラーをはじめ、十数人の名前がパソコンのデーターに加わったといいました。
その中に「狩集汐路」の名前も入っているというのです。
顔色を変えた我路は、やはり鳴子のマンションに行くことにしました。
鳴子の部屋(マンション)に到着した我路は、
・廊下に踏み台が出てること(いつもはない)
・台所の扉が開いていたこと(いつもは閉まってる)
・壁にかけてある絵が変わっていることなど
いつもと違うことに違和感を感じつつ天井裏に入っていきました。
そこへ鳴子が帰ってきました。
登場人物
香田(こうだ)さん 我路くん達の運転手。
犬童甲矢(いぬどうはや) 我路くんの従兄。甲矢兄さん。(再登場)
犬童乙矢(いぬどうおとや) 我路くんの従弟。乙ちゃん。(再登場)
狩集 汐路(かりあつまりしおじ) 高校1年生。美術部。我路くんと知り合い。(再登場、2巻で登場)
鳴子巽(なるこたつみ) 四谷のクリニックでカウンセリングをおこなってる。大人気カウンセラー(再登場)
『エピソード14.5』感想と考察(注意!ネタバレあり)
我路くんのピンチに、すごいハラハラしました。
前回、我路くんが鳴子の天井裏にこもって監視をおこなっていました。
その時、鳴子が1人住まいなのに「ただいま」「おやすみ」「おはよう」と挨拶していることに違和感を感じていました。
さらに「いってきます」といってドアを閉めたあとに、振り返っていたので「我路くんが潜んでいることを知ってるんじゃないのか?!」と思いました。
今回、我路くんが「珍しく(いつもと違う)」という言葉を連呼しながら、違和感を感じていきます。
そのあたりから自分の中のハラハラ、ドキドキが急激に上昇しはじめました。
「やばい!やばい!やばいよ!我路くん!!」と心の中で叫ぶも、我路くんが追い詰められていきました。
我路くんがどうかなっちゃうの~?!と本当に心配しました。(無事でよかった)
すべてを読み終え、何回も読み直していくうちに、気持ちも落ち着きました。
すると今度は「鳴子巽は何者なの?!」「この人、ムチャクチャこわくない?!」と思いはじめした。
テレビにうつってる時は「おちゃめキャラ」で「優しそうないい人」、我路くんが屋根裏に潜んでいるときも「静かな優しそうな男性」として描かれていました。
我路くんが天井裏に潜んでいると知っていて、平然と生活してたのか?!
また、天井裏からどうやって追い出そうか考えていたのか?!
ただ者じゃありません。
いったい、何者なんでしょうか?
今回、ライカさんとの会話、鳴子にしてやられてしまう姿に「なんか、かわいい」とおもっちゃいました。
今までの我路くんは冷静でいつも余裕がありました。
しかし、今度ばかりは我路くんも必死でした。
なんだか、普通の人ぽくて、我路くんにもこんな面があるんだなぁと嬉しく思いました。
お茶目なのは、我路くんですよ。
大変でしたが・・・。
ちょぴっと考察
ナズナの花の絵
鳴子の部屋に飾ってあった絵です。「燻煙式の殺虫剤」を部屋の中でたくために、他の絵に交換しました。その理由を我路くんが「鳴子にとって大切な絵だから」と言っています。
この絵は美吉喜和さんの絵ではないかと思いました。
喜和さんは花の絵を描いていました。
この花の花言葉は「あなたに私のすべてを捧げます(あなたを忘れない)」です。
愛珠の手紙と汐路ちゃん
漂流郵便局に愛珠が書いた手紙があることを名前を伏せて教えてくれた人物がいました。
我路くんは鳴子が教えたと考えました。
恐らく愛珠に漂流郵便局のことを教え、手紙を書く事をすすめたのは鳴子だと思います。
だから鳴子は手紙があることを知っていたんだと思います。
その手紙のありかを我路くんに教えたと言う事は、我路くんに近づいてきて欲しかったからと考えられます。
鳴子にとって我路くんもターゲットの1人の可能性があります。
今回、鳴子は汐路ちゃんに近づいています。それを我路くんたちに教えるため、自分のパソコンにデーターを入れました。(我路くん達に見せるためのパソコン)
わたしは「自分に近づけばこの子の身の安全はない」という鳴子から我路くんへの警告だと思いました。
しかし、愛珠の手紙を我路くんに教えている事は、我路くんに自分の存在を気づかせる事にかります。
つまり、汐路ちゃんに近づいたのは警告ではなく、我路くんたちも洗脳対象だからかもしれません(怖すぎる)。
3人の関係
天達先生、喜和さん、鳴子の共通点は心理学です。
- 天達先生 大学で心理学を教えている。
- 喜和さん 心療内科のカウンセラーをしていた。
- 鳴子 人気カウンセラー。
漫画の描かれ方で3人の年齢が近いように見えます。大学時代の知り合いか?もしくは、天達先生の兄弟(父親が違う兄弟とか)もしくは、喜和さんと姉弟?兄妹?
まだ、情報が少ないのでかなり曖昧ですが、何かしら繋がっているように思います。
鳴子の協力者
鳴子はクリニックの経営をし、テレビにも出演しています。そんな風に忙しくしている人が、我路くんたちのことを1人で調べられるでしょうか。
我路くんが天井裏に潜んでいることや親族のことまで把握するには、協力者がいるように思いました。
人気カウンセラーでもあり、人の心をつかむことに長けていそうです。
鳴子に洗脳された下僕が数人いてもおかしくないと思います。
星座のアクセサリー
喜和さんは占いに興味がありました。鳴子が星座のアクセサリーをクライアントに渡しているのは、喜和さんの影響ではないかと思います。
天達先生
天達先生と鳴子になにかしらの繋がりがあったとしても疎遠であると思います。
なぜかと言うと、天達先生は占い全般が嫌いだからです。鳴子と知り合っても気が合う様には思えません。
はじめは天達先生と鳴子が兄弟かも?(親戚とか)と思いましたが、喜和さんと鳴子が親族の可能性もありだと思いました。
喜和さんのふんわりした印象と鳴子の印象が似ています。
喜和さんと鳴子が知り合いだった場合、とても気が合って仲がよかったのではと思いました。
2人とも占いが好きだという共通点があり、さらにカウンセラーという職業も共通です。色んな話しができたはずです。
私は喜和さんの事件に鳴子が関わっているように思えます。
考察ではなく思いつきになりますが、喜和さんは鳴子のカウンセリング方法を知り鳴子と話しが合わなくなり、離れていったんじゃないかと。
喜和さんには天達先生という恋人もいたし、蔦や橘高といった仲間もいました。
鳴子は、喜和さんが離れていったことに不満を感じた。
だから、喜和さんの患者に近づき洗脳しストーカー行為を応援し、入れ知恵をしたんじゃないかと思います。
鳴子は、自分のところに来た羽喰十斗に彼は特別な才能があると言っています。どんなことも天が与えた特別な仕事と肯定しています。
自分の仕事のやり方も同じように、天が与えた特別な仕事と考えてるのではないでしょうか。
その仕事に疑問を持つ存在は、神の仕事を冒涜する存在のように思えて許せなかったんじゃないでしょうか。
喜和さんの事件は、何だかスッキリしません。
鳴子が裏で手を引いていたと考える方が、何か納得できたす。
あと、整くんは喜和さんのお気に入りでした。
鳴子が喜和さんの知り合いだったら、整くんを知ってるはずです。
鳴子が整くんに近づいてくる可能性もあります。
勝手な憶測もたくさん書いてしまいましたが、つづきが楽しみです。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
それでは、またね。
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