和風シンデレラストーリー「わたしの幸せな結婚」。異能の家系に生まれたものの異能の力を持っていなかったために虐げられた生活をおくっていた主人公美世。そんな彼女の嫁ぎ先は冷酷無慈悲と噂される人物だった。 1巻~2巻のあらすじ&登場人物を紹介しています。
多少のネタバレが含まれていますが多くは紹介していないので安心して読めます。
【わたしの幸せな結婚】1巻 登場人物&あらすじ
わたしの幸せな結婚~1巻の登場人物
斎森家 歴史ある名家。異能の家系。
斎森 美世(サイモリミヨ) 19歳。斎森家の長女。
斎森 香耶(サイモリカヤ) 斎森家の次女。美世とは異母妹。異能ー見鬼の才。器量良し。
斎森 真一(シンイチ) 斎森家の当主。美世と香耶の父。
斎森 澄美(スミ) 美世の母。薄刀家の娘。 美世の母。病で亡くなった。真一とはお家どうしの結婚。
斎森 香乃子(カノコ) 香耶の母。澄美が亡くなった後に真一と結婚。もともと真一と恋仲だった。
花 使用人。美世に優しくしてくれた唯一の使用人。香之子に解雇された。
辰石家 古くから異能を引き継ぐ家系。名家。久堂家と対立している。
辰石 幸次(タツイシコウジ) 辰石家の次男。美世と香耶の幼馴染。美世の事を気にかけている。優しいが臆病な性格。
久堂家 名家中の名家。飛び抜けた異能を引き継ぐ家系。爵位も有する。
久堂 清霞(クドウキヨカ) 27歳。久堂家の当主。冷酷無慈悲と噂される人物。帝大卒。難関士官採用試験に合格。軍では対異特務小隊をひきいる少佐。※対異特務小隊・・隊員は全員異能者。
ゆり江 通いの使用人。清霞の親代わりとして幼いころから世話をしている。
五道 佳斗(ゴドウヨシト) 対異特務小隊の隊員。清霞の側近。
桂子 (ケイコ) 呉服屋のおかみ
薄刀家(ウスバケ) 人心に干渉する力を有する能力を持った家柄。危険な能力だったため影に隠れてひっそり暮らしている。
わたしの幸せな結婚~1巻のあらすじ(1話~7話)
1巻では、家の取り決めで嫁いだ美世と嫁ぎ先である清霞の心の変化を中心に、異能家である斎森家、久堂家、辰石家、薄刃家について描かれています。
第壱話 あらすじ
斎森家の長女美世は久堂家へ嫁ぎます。美世は生まれつき異能を持たなかったことを理由に、継母と異母妹の香耶から意地悪をされ父親からは無視され使用人扱いを受けながら暮らしていました。
美世は19歳、名家の娘ならすでに嫁いでいてもおかしくない年齢でした。彼女は幼馴染幸次との結婚をひそかに望み結婚することで斎藤家の女主人として認めてもらえることを望んでいました。
しかし、幸次の結婚相手は妹の香耶に決まってしまいます。そして美世は父から久堂家に嫁ぐことが決まったと言われます。
第弐話 あらすじ
久堂家に嫁いだ美世だったが、名家の嫁として十分な教育をうけてこなかった自分は嫁としてふさわしくないと考えていた。それでも自分に出来ることをやって久堂家の役に立とうと朝はやく起きて朝食の支度をするのであった。
使用人のゆり江は異常なほど控えめである美世を優しく気遣い朝食の支度を手伝うのだった。
しかし、名家の令嬢が朝食の支度をした事に驚いた清霞は、美世が何かたくらんでいるのではないかと疑ってしまう。
第参話 あらすじ
久堂清霞は美世にきついいい方をしてしまった事をくやみつつも、彼女が今までの婚約者とは違い無表情で使用人以上に控えめな令嬢であることに疑問をもつ。
美世は帰宅した清霞に膝をつき頭を下げて「出過ぎたことをしてしまった」と謝るのでした。そんな美世をあらためて観察する清霞は彼女の身なり、やつれ方などから「庶民以下」だと感じる。
また、彼女がとる行動も清霞には不思議でならなかったので「変わった娘が嫁いできた」とため息をこぼす。
美世は自分が清霞を失望させていると思い家を追い出される覚悟をするのであった。
第四話 あらすじ
美世は清霞が自分を気づかってくれることを感じつつも、異能を持たない自分は久堂家の妻にふさわしくないと言う思いをいだく。
朝食の件で美世にきつく当たってしまった清霞は改めて朝食を作ってほしいと頼むのだった。美世はゆき江に手伝ってもらい朝食の支度をし、清霞と美世は一緒に食事をとるのであった。
自分のつくった物が口のこえてる清霞に合うか心配だったが、清霞は美味しいと褒めるのだった。
しかし、自分のしたことが人に認めてもらうことが久しくなかった美世は思わず泣いてしまう。
清霞は褒めたはずなのに泣き出してしまう美世にうろたえつつも彼女にいだく疑問は強くなっていく。
第五話 あらすじ
美世は古くなった着物をつくろうためにゆり江から裁縫道具をかりる。その時、ゆり江に自分がいきなり泣きだっしてしまったことで旦那様にイヤな思いをさせてしまったのではないか、そのことで怒っているんじゃないかと自分の胸のうちを打ち明けるのでした。それに対しゆり江は泣く事は悪い事ではないと美世に優しくよりそうのでした。
夕食の時間、食事をしながら清霞は美世が1日中家にいては退屈しているのではないかと言い、休日に一緒に街へ行こうと誘います。
美世は小学校を卒業してから斎森家を出たことがなかったので、外に出たいとおもう気持ちも無くなっていました。まして自分は無一文なうえ着て出かける服もない、こんな自分と一緒では清霞が迷惑なのではないかと考え断るのだった。
第六話 あらすじ
美世は久堂家に嫁いだときに着てきた着物をき、ゆり江に化粧をしてもらい清霞と出かける支度を済ませた。2人は車にのって一旦清霞の職場である小さな施設に向かいました。施設で清霞の側近五道に出会います。五道は清霞と一緒にいる美世が気になりましたが詮索はせずその場を立ち去っていき、2人は車をおいて街へ向かいました。
街の中にでるのは数年ぶりだった美世は主人を放って景色に見入ってしまいます。清霞に声をかけられて我にかえった美世は、自分の立場を忘れていたことに対して自分をとがめるのでした。
清霞はそんな美世をさっして優しく声をかけて美世を安心させるのであった。美世は清霞の優しい言葉やさりげない思いやりの行動に、心がひかれていくのでした。
第七話 あらすじ
清霞と美世は甘味処に入ります。窓から藤の花がみえるテーブルにこしかける2人。美世はあんみつを食べながら、清霞の美しい容姿、一挙手一投足の優雅さをあらためて再認識します。
すると清霞は美世があまり笑わないと言います。美世はその言葉に反射的に誤ってしまいますが、清霞は素直な気持ちから「笑顔がみたい」といいます。
美世は笑うことも許されない虐げられた環境で育ってきた上、自分のことを醜いと思っていました。そのため清霞の言葉にたいして「変わってる人」だと言ってしまいます。清霞が返す言葉を失って黙っているのに気がついた美世は生意気なことを言ってしまったと慌てて謝るのでした。
そんな美世に清霞は結婚する仲なのだから気をつかう必要はないし、素直に感じたことを言ってくれた方が嬉しいと伝えます。
「結婚」という言葉をきいた美世は、自分は異能者ではない上ろくな教育も受けていない、久堂家の妻にふさわしくないんだと思わずにはいられませんでした。しかし、清霞にひかれつつある彼女は少しでも長く一緒に居たいと思うのでした。
書き下ろし小説
9ページにわたって書き下ろされた小説が記載されています。
美世と櫛のお話です。
感想
名家に生まれたけれど使用人以下のあつかいを受けてそだった美世は生気がない主人公。そんな主人公が嫁ぐことで生活環境がかわり触れ合う人々もかわり次第に心を開いていく様子がけなげです。
また、清霞も今まで出会ってきた女性たちとは全く違うタイプの美世に戸惑いながらもひかれていくのもいい感じです。
清霞の周りにいる人たちが優しく美世の寄り添う様子に心の中が暖かくなります。読んでいてホッコリします。
気になるのは薄刃家の存在です。この先、何か色々と分かってくるかもしれませんが、美世の斎森家での冷遇はもしかしたら薄刃家のしわざではないかと疑っています。
それと美世に異能の力がないとの事ですが、今はないけど成長すると能力が開花するんじゃないでしょうか?
そこもこれから気になるところです。
【わたしの幸せな結婚】2巻 登場人物&あらすじ
わたしの幸せな結婚~2巻 新しい登場人物
辰石 一志(タツイシカズシ) 辰石家の長男。
わたしの幸せな結婚~2巻 あらすじ(8話~14話)
心を開きはじめた美世は清霞を受け入れはじめる。そんな折、異母妹の香耶は美しい清霞と美世が仲睦まじいことを知り嫉妬にかられて2人の仲を裂こうと考える。
第八話 あらすじ
美世は清霞への日ごろの感謝の気持ちを形にして表したいと考えゆき江に相談します。ゆき江は手作りがいいんじゃないかと提案し女性向けの手作り雑誌を差し出しました。その中から旦那様が使えそうな物を選びました。
後日、美世はゆき江と一緒に街に材料を買いに出かけます。
今まで決められた仕事や人の命令のみを淡々とこなしてきた美世にとって、自分から進んで誰かのために何かをつくるのは初めての体験でした。
プレゼントを贈る相手のことを考えながら材料選びをすることがとても楽しく感じるのであった。ここでも美世は幸せを感じていました。
美世の買い物が済んでゆき江が美世を置いて食材を買いに行っている間に香耶と幸次が通りかかるのでした。
第九話 あらすじ
香耶は1人で立ち尽くしてる美世が久堂家から追い出されたと勘違いして嫌味をいい始めます。あまりに美世を見下し馬鹿にしたその言い分に幸次は辞めるようにさとしますが香耶は聞き入れません。
香耶の出現とその嫌味に何も言えない美世だったが、事実と違う事を浴びせる香耶に対し言い返したい気持ちでいっぱいになっていた。何とか口をひらいて絞りだすように出てきた言葉は美世の気持ちとは反する言葉でした。
美世は新しい環境の中、自分を受け入れ認めてもらえる体験を通じ自分が変わりつつある事と思っていたが、いざ香耶を目の前にすると虐げられていた時の恐怖に縛られて何もいい返せない自分に失望するのであった。
第十話 あらすじ
家に帰ってきても美世はふさぎ込んでいました。その様子を心配する清霞とゆり江でした。ゆり江は街であった出来ごとを清霞に話しました。何があってどうして美世がふさぎ込んでしまったのかを理解する清霞でした。清霞は美世の力になりたいと考えます。
美世は自分のふがいなさが許せず多くの時間を自室に閉じこもって過ごしていました。
街で香耶に会って美世は自分のダメさを思い、更に自分が異能者ではないことを黙っていてはいけないと思う気持ちが強くなっていました。しかし、その事を清霞に話せば自分はもうこの家にいることは出来ないだろうと考え、本当のことを打ち明けるのに躊躇してしまうのでした。
そんな葛藤をかかえて引きこもる美世のところに花が訪ねて来るのでした。
第十一話 あらすじ
花の思いがけない訪問と数年ぶりの再会を心から喜ぶ美世、彼女にとって花はお母さんの様な存在でした。美世は花のあたたかい愛情に触れて自分の胸の内を花に話しました。すると花はどうして自分が美世をたずねてこれたのか話しはじめます。
花の話しを聴いて旦那様が花を呼んだことを知ります。花の存在を知っているという事は旦那様は美世について調べつくしていると気がつくのでした。
花の励ましを受けて自分の秘密を打ち明ける決心をした美世は清霞への手作りプレゼントを差し出しながら本当の事を話しはじめました。
清霞は美世の話しを黙って聞いていましたが、いつまでも頭を下げている美世に声をかけ・・・。
第十二話 あらすじ
花を美世のもとに連れてくる手助けをした清霞の側近五道を家に呼んでお礼の宴でおもてなしをする事になりました。清霞は宴の発案者が美世であり彼女に変化がおきて来てることに嬉しく思うのでした。
美味しい手料理と美世の感謝の言葉に気をよくした五道は、冗談のつもりで自分と結婚しませんかと言います。清霞はその冗談に対して殺気だししますが、美世は自分の正直な気持ちを五道に伝えるのでした。
その言葉を聴いた清霞は美世が以前より自分に心を許してくれていると思うのでした。
楽しい宴が終わり疲れて着替えもせずに寝入ってしまった美世のいる部屋から異能が使われた気配を感じた清霞は、悪夢にうなされている美世をおこします。
第十三話 あらすじ
香耶は美世の婚約者久堂清霞の姿を知ります。その美しい容姿に強く惹きつけられるも、彼の隣に見違えるようなに美しくなった美世の存在があることに、激しく嫉妬します。
嫉妬にかられた香耶は久堂の婚約者にふさわしいのは自分だといい、美世と自分の立場を交換してほしいとお願いするも、父は受け入れません。
香耶は父がダメならと自分の婚約者幸次に姉と婚約してほしいと言い出します。
幸次は香耶の突拍子のない考えに飽きれて話しを受け入れません。
父も幸次も自分の願いをきいてくれないと腹を立てる香耶の向かった先は、幸次の実家である辰石家でした。
第十四話 あらすじ
清霞の職場に差し入れを持っていった美世とゆり江でしたが、美世が帰り道に誘拐されてしまいます。
気が動転するもゆり江は清霞の職場に引き返し美世が誘拐されたことを伝えます。清霞には誘拐犯が誰なのか検討がつきました。そこに辰石幸次が清霞をたずねてきました。幸次は美世が誘拐されたことを知っていたのです。そして、清霞に美世を助け出す手助けをしてほしいと言うのでした。
辰石家に向かう車のなかで幸次は香耶の様子がおかしかったので彼女の後をつけたところ自分の父親のところに向かい、婚約者を交換する話しをしていた。そこでそれを止めようとしたと話します。
しかし、異能の力は父親の方が強く幸次では歯が立ちませんでした。自分1人では美世を助けられないと悟った幸次は清霞に助けを求めにやってきたのでした。
書き下ろし小説
8ページにわたる書き下ろし小説です。
第十二話の宴での五道にまつわるお話です。
感想
2巻で美世と清霞の気持ちが急接近しました。
美世の話したいけど話せなかった秘密についても無事に解決してホツとしましたし、綺麗になっていく姿を見ていて嬉しくなりました。主人公がきれいなのは嬉しいですね。
その一方、日常生活に追われて小さなお洒落もおそろかにしていた自分を反省しました。(^^;)
前半はトキメク感じで進んでいましたが、後半から急展開しましたね。香耶が狂ったような行動をとっていたので、誰かが裏で手をひいてるのではないかと勘ぐってしまいます。
アクション要素も加わってきてドキドキハラハラしましたよ。
ああ・・はやく3巻が読みたいです。
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