『大蛇に嫁いだ娘』1巻のあらすじと感想です(ネタバレなし)。村の娘ミヨが大蛇様に嫁いでからのお話です。ミヨは大蛇様のいいつけに従い、掃除、食事の用意、暖房管理などを行い、一見、人間の夫婦みたいですが。
2021年11月12日発売。
著者:フシアシクモ
一見、人間の夫婦みたいけど、大蛇様は蛇の習慣で生活するのでミヨとギクシャクするにゃ。
<1巻の内容>
- ミヨと大蛇様の生活。
- ミヨと大蛇様のこころの距離。
- ミヨに友達できる。
- 大蛇様を探している謎の僧侶。
主な登場人物
ミヨ 主人公。大蛇様に嫁いだ娘。額に傷がある。
大蛇様 山の主。500年生きている。
じいちゃん ミヨのじいちゃん。病気で亡くなった。
八兵衛(はちべえ) 山のたぬき。80年生きてる。額に三日月形の傷がある。
旅の僧 若くてハンサムだが訳あり。
「大蛇に嫁いだ娘」ebookで確認第1話 あらすじ
ミヨは500年は生きているという山の主“大蛇様”に嫁いできました。
彼女の額には大きな傷があった為「傷者の女じゃ嫁としてもらい手がないだろう」と大蛇様の嫁に選ばれました。
ミヨは自分の体の10倍はありそうな巨大な大蛇様を見て「食べられてしまう」と怯えるのでした。
第1話 感想
大蛇様は蛇なので表情がなく、何を考えているのか分かりません。
それに、とてつもなく大きい・・・。
人間を軽く一飲みできてしまうぐらい大きいです。
絵はリアル調ですが写実的ではありません。
それでも大蛇様の蛇感がけっこうリアルに見えます。
だから余計に「この先なにが起こるんだろう・・・」と緊張してしまいます。
第2話 あらすじ
ミヨと大蛇様は同じ寝室でねむることになりました。
大蛇様の足(足をくじいた)を気遣って「”する”のはまた今度」といいます。
ミヨは「”する”って何を?」と動揺しました。
夜は深まりますが、寒さと緊張からミヨは眠れませんでした。
第2話 感想(ネタバレあり)
ミヨが大蛇様に飲み込まれる描写がリアル調で描かれていてビックリしました。
主人公大丈夫かな?と思いましたが、蛇に飲み込まれるのはかなりキツイと思います。
ミヨも気を失ってしまいました。
第3話 あらすじ
ミヨは大蛇様の元に嫁いで2ヶ月になりました。
ミヨは大蛇様に嫁いでから、大蛇様用の食事の用意(生きた獣を罠でつかまえる)と自分用の食事の用意(人間の食事)をしていました。
しかし、1ヶ月前から大蛇様は食事をとろうとしなくなり、今日もミヨが食べているところを見ているだけでした。
ミヨは亡くなったじいちゃんの事を思い出し「大蛇様もどこかが悪いのではないかと・・・このまま死んでくれたら・・・」と思うのでした。
第3話 感想
特に動物好き(爬虫類好き)でなければ、ミヨのように「大蛇様の死を願う」のは自然だと思いました。
でも、ミヨが大蛇様と暮らし始めて分かったことは「大蛇様がとても優しい」ことです。
ミヨの気持ちを知ってか、知らずにか、ミヨにかける言葉が優しいです。
第4話 あらすじ
大蛇様との生活に慣れてきたミヨは最近では「大蛇様に不満」を感じるときがありました。
例えば、大蛇様と並んで寝ていると寝返りを打った大蛇様がミヨに乗っかり押しつぶされそうになったり、大蛇様の食事は生きた獣なので後始末が気持ち悪かったり、寒がりな大蛇様の為の暖房につかう火加減が強いと文句をいわれたり・・・。
こんな時に「じいちゃんが生きていたらグチを聴いてもらえるのに」と独り言をつぶやくミヨでした。
その様子を大蛇様は草むらの影からうかがっていました。
第4話 感想
ミヨの大蛇様に対する警戒心が、とけていく様子が丁寧に描かれています。
大蛇様との生活もなんとか受け入れて頑張っていこうと決心するあたりは度胸があって素直な人なんだと思いました。
そうは言っても大蛇様は人間じゃないので色々違い過ぎてストレスが貯まっちゃうと思いますが、なんだかミヨの愚痴が人間の夫婦間の愚痴みたいで面白かったです。
人間も蛇も夫婦になったら同じなのかな?
もし、大蛇様と夫婦になったらこんな感じ?というのが想像できて面白いと思いました。
第5話 あらすじ
ミヨに八兵衛(はちべえ)という名のタヌキの友達ができました。
ミヨと八兵衛は夫婦の話しをしました。
そこで、八兵衛は「2人がまだ『やってない』ことに驚き」ミヨも「いずれそういう事をするのだろう」と考えました。
ミヨが八兵衛と別れて山道を歩いていると、前から大蛇様があらわれました。
大蛇様は「ミヨの帰りが遅いので心配して迎えにきた」と言いました。
ミヨは「大蛇様が自分の居場所がわかった」ことに驚きます。
大蛇様は「舌でミヨの匂いと味を察知する」と話しました。
そして、その夜、大蛇様がミヨを押し倒しました。
第5話 感想
いきなりその時が来たので驚きました。
ミヨが大蛇様を信頼しはじめたのは分かりますが「好きな相手」なのか、まだ分かりません。
それに、大蛇様の告白は少し気持ち悪かったです。
今回は何もなくてホッとしました。
第6話 あらすじ
大蛇様に押し倒された夜から(何もなかった)ミヨは大蛇様をさけるようになりました。
一方、ある村に旅の僧(若者)がやってきました。
ちょうど、その村では藁蛇をつくって無病息災と豊作を祈るお祭りをおこなっていました。
旅の僧は大蛇に興味があるらしく村の男に色々とたずねました。
すると男は「ある山に『蛇の神様が住んでる』と聴いたことがある」といいました。
その話をきいたとたん旅の僧の表情はこわばりました。
第6話 感想
ミヨにさけられて戸惑う大蛇様が可愛そうに思いましたが、ミヨにしたらあの夜は怖かったんだろうと思います。
大蛇様、せっかくミヨとの距離を縮められたのに、また距離がひらいてしまいました。
その一方で、ある村に現れた旅の僧・・・なんだか不穏な空気が漂いはじめました。
第7話 あらすじ
冬になり、大蛇様は家を離れて山で冬眠するといいました。
ミヨは冬の間だけでも大蛇様が居なくなることに内心喜んでいました。
大蛇様の冬眠の支度をするミヨのもとに八兵衛もやってきて「自分も穴籠りする」といいました。
そして、大蛇様の冬眠する日がやってきました。
ミヨは大蛇様が眠る穴まで見送りしました。
1人になった大蛇様は冬眠することを寂しく思いました。
第7話 感想
今回は冬眠する大蛇様の心境が描かれていました。
今までミヨに感情移入していましたが、大蛇様がミヨのことを大切に思っていんだと思うと冬眠で会えなくなってしまう事が可愛そうに思えました。
それから旅の僧の存在が気になります。
ミヨと大蛇様の幸せな暮らしを壊さなければいいですが、心配です。
僧侶は若くてハンサムみたいなので、ミヨが恋心を抱かなければいいとも思います。
第8話 あらすじ
大蛇様が冬眠して1ヶ月たちました。
ミヨは1人で生活しています。
はじめは大蛇様が冬眠することを喜んでいましたが、自分1人という気のゆるみからか、片付けをしなくなり腑抜け状態になっていました。
そんなある夜、ミヨが眠っていると家の中で音がしました。
何事かと音のした部屋へかけつけると、キツネ数匹が貯蔵していた干しものを食い散らかしていました。
ミヨは戸締りを忘れていたのです。
彼女はキツネを追い払いましたが、キツネに食い散らかされた干しものは、もう食べる事が出来ませんでした。
ミヨの食べ物が無くなってしまいました。
第8話 感想
大蛇に嫁ぐ設定はおとぎ話ですが、ミヨと大蛇様の生活はリアルに描かれています。
大蛇様が冬眠中に家をキツネにあらされ食べる物をうしなったミヨ。
そんな彼女があることで食料を手に入れますが、かなりワイルドです。
極限状態になったら人間そんなもんかもしれない・・と思わされました。
そうですよね、人間も動物ですよね。
この経験が自分も大蛇様と同じだと思わせたのかもしれません。
ミヨが大蛇様に心を開いていきます。
なんだか良かったってホッとしました。
大蛇様、姿は大きな蛇ですがとても優しので、ミヨに拒否られているときは切なく思っていました。
よかったです。
おまけマンガ
1巻の巻末に4コマのおまけマンガが3つあります。
- 以前、熊を丸のみした大蛇様のその後・・・。
- もこもこして可愛い八兵衛の歳。
- ミヨ、大蛇様の年齢をさぐる。
短いお話ですが、可愛い4コマまんがでした。
わたしはこの4コマ漫画けっこう好きです。
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