2022年1月28日発売。著者:木ノ坂太郎。山中に埋められていたトランクの中に入っていたモノは何だったのか。真珠の秘密が明かされます。あらすじと感想を紹介していますがネタバレなしです。
第51話 やっとわかった
あらすじ
真珠の支持で品川環の故郷にやってきたアラタは山の中でトランクを掘り起こします。
中身を確認した後にうなだれてますが、弁護士の宮前さんに電話をかけ真珠が環の実の娘であるか確認します。
そして、アラタはなぜ真珠が「絶望した眼の色をしているのか」「母親を愛しているのに、それ以上に憎んでいるのか」「何をずっと待っているのか」「環が何から逃げていたのか」など理解するのでした。
感想
6巻おわりの描写に、朽ちた切り株に真珠のネックレスがかけてあったので、これはお墓なんだと思いました。
誰のお墓なのかは「真珠のネックレス」で答えがわかります。ただ、51話ではまだ明かされていません。
ここで描かれてることを読んで、アラタの真珠に対する愛情はすごいなぁと思いました。おそらく衝撃的なモノをアラタは見たとおもうんですよ。
そのあとで、真珠に寄り添うアラタの姿に驚きました。
アラタは本当に真珠のことが好きなんだと思いました。好きを超えているかな。
第52話 哀れな子羊
あらすじ
宮前弁護士は真珠を訪問しています。真珠はアラタとの結婚が無効になることがあるか心配している様でした。
宮前弁護士は「書類の不備より2人の気持ちが最優先」だと答えます。
真珠はその言葉を聴いてアラタに触れたときの手の感触を思い出しました。そして、宮前弁護士と「結婚」について話をするのでした。
感想
宮前弁護士が「ある程度の見通しがついたら結婚を考えたい」と言ったことに対して真珠は「見通しを立てなくするために結婚する」と言ったことに「どおいうこと?」と思いました。
女性って結婚相手に「将来の結婚生活にある程度見通がしつく人」を選ぶと思います。子供を産んで育てていくのって見通しがつかないと不安じゃないですか。
ところが、真珠の意見は真逆です。
漫画を読み進めていくとアラタと結婚したことで、思いもしなかった感情を味わうことになったり、心変わりしたりしたことを真珠が語ります。
ああ、彼女は今まで味わったことの無い感情を味わっているので「見通しをつかなくすること」って思ったんだと分かりました。
今回、初めて真珠の心の中に光が差しているような描写がありました。
何だか依然より真珠の表情が落ち着いてきてる?
第53話 あなたがいてよかった
品川環のふるさとから帰ってきたアラタは宮前弁護士と会って話をします。
宮川弁護士は真珠が結婚が無効にならないか心配していたことと、真珠がアラタと結婚して得た「心の自由」の話をしました。
そして、自分は真珠を「社会の底辺で苦しんでいる犠牲者」としての哀れみから彼女を救ってやろうと思っていたことを打ち明けます。
アラタは宮前弁護士の話を黙って聴いていますが表情に覇気はなく、宮川弁護士の後ろ姿を眺めながら「俺も今はあんた側の人間だよ」と思うのでした。
感想
宮前弁護士は真珠と昨晩面会しました。
アラタは真珠と宮川弁護士の面会中、山の中で子供の頃の真珠と一緒に夜空を見上げていました。翌日、環の故郷から帰って所長と飲みにいき、その後宮川弁護士と会っています。
真珠の生い立ちを知ったアラタは真珠を哀れに思ってしまいます。その気持ちを消し去ることが出来ません。
そうなの?「哀れみ」って「自尊心を傷つけられる」んでしょうか。
「哀れみ」の意味は「相手をかわいそうにおもうこと」らしいです。
「自尊心を傷つけられる」とは「恥をかかされること」らしいです。
真珠は自分の生い立ちを受け入れることが出来てないってことでしょうか。
第54話 夫婦だから
黙り込んでしまう真珠にアラタは誕生日をたずねます。
真珠はうつむいたまま答えようとしません。
アラタは21年前、品川環が三島正吾との間で、女の子を出産したと話はじめました。そしてアラタが見たトランクの中身の話をはじめます。
環は事実を隠すために引っ越しを繰り返し、真珠を過食で太らし、歯医者には通わせなかった。
真珠は黙ってアラタの話を聴きつづけました。
感想
アラタは「恋も愛も否定した俺たちに残っているのは」「絶望だけだろ」と考えます。
そして、真珠が望んでいるこは「死ぬ」ことだとも気がつきます。
真珠の秘密は分かりましたが、なんだか厄介なことになりそうです。
真珠が思い描いているように事が運ぶようには思えませんが、何か企んでいることは確かです。なんだか思いがけない方へ物語が進みはじめました。
第55話 心の底では
あらすじ
アラタは、宮前弁護士の務め先でアラタは真珠の過去について話をし、驚く宮前弁護士にどうるればいいかとアドバイスを促します。
宮前弁護士は検察側より先にトランクの中身を証明すれば、検察側が何か小細工しようとしても出来なくなると言いました。
そこで、アラタに再びトランクのある場所へ行ってほしいと言いました。
感想
「生きる」気持ちが無ければ犯行後に自殺していたと思います。彼女ははじめから生き延びるために計算ずくで殺人を犯したと思います。
アラタもすっかり真珠を美化しはじめました。
何故、そんなことが起きるのかとても不思議です。どんな過去があっても人を殺してバラバラにしてる連続殺人犯であることには変わりありません。
アラタも桃ちゃんも宮前弁護士もなんかおかしくないですか。洗脳されてるってことなんでしょうか。
真珠は、逆らうことが出来ないほど、人を引き付ける人物なんでしょうか。
犯罪者の親玉なんかは、そういう人物なんでしょうかね。
アラタたち、真珠に洗脳されて事件に巻き込まれて大変なことにならなければいいですが。
第56話 お終い
あらすじ
アラタは桃ちゃんとインド料理店でカレーを食べながら真珠の話をしています。
アラタは話を変えて自分と桃ちゃんは有りかたずねますが、桃ちゃんは思いっきり否定しました。
そんな桃ちゃんの否定振りを見て脈なしと判断したアラタは桃ちゃんに真珠に対する自分の気持ちを話はじめます。
その話を聴きながら桃ちゃんの目はキラキラ輝くのでした。
感想
アラタはいきなり桃ちゃんに何を言ってるんだろうと思いました。
真珠への思いを吹っ切りたいから桃ちゃんとつき合いたいって図々しい男です。面と向かってそういう事が言える男性ってどうなんでしょうかね。わたしだったら心の底から信用するのは無理だと思います。
それはさておき、アラタが真珠との恋に悩んでいました。真珠の年齢にです。
「そこが悩むところ?」と驚いてしまいます。すっかり真珠に夢中だと思います。
桃ちゃんの言葉にも驚きました。いやいや、真珠は連続殺人犯なんだよ。彼女の殺した相手に家族はいて、その家族から大切な人を奪っているんだよ。
殺された人の人生を奪っているんだよ。
桃ちゃんのアドバイスはおかしいくないかな。真珠は被害者だけど、彼女のやったことは絶対許されないことなのに。
第57話 最悪じゃねえ
あらすじ
ふたたびトランクの埋まっているところにアラタはやってきました。埋まっていたトランクを再び掘り起こし、中身の一部を手に入れると再び埋め直しました。
そして、真珠の母親環のことを思います。
「いい母親」になろうとしてがんばっていた環の悲しみを思い、「いい母親になる」という夢から彼女が覚めたくなかったゆえの行動だろうと空想します。
その結果、殺人鬼1人を生んでしまったと。最悪の結果だと考えめぐらします。そこへ、ふと真珠の顔が浮かびました。
アラタは環の悪あがきのおかげで「真珠に出会えた」と思うのでした。
感想
宮前さんは真珠の弁護人です。だからと言って真珠の言葉をうのみにする必要はないと思います。例え真珠が連続殺人犯であっても彼女を弁護するのが彼のプロとしての仕事です。
殺人を犯していないと思い込むことがプロとしての仕事だとは思えません。
真珠は宮前さんの目の前ではっきりと「灰にはなりたくない」「あの3人みたいに」と言っています。無理やり殺人に加担させられた人がそんな事いえますか。
バラバラになった手足を運んだら脳裏に焼き付いて離れなくならないですかね。
その時の恐怖から正気でいられますかね。
彼女の様に無邪気に振る舞えますか。
第58話 スピカのほう
あらすじ
宮前弁護士は真珠との会話をアラタに話しています。アラタは「鳥葬の話」を真珠らしい気持ちわるい話だといい、2人のバラバラ死体が野ざらしになってカラスにつつかれていたのは、真珠なりの弔いだったのかねと言いました。
宮前はトランクの中身の話をはじめました。
それは真珠にとって「圧倒的に有利な証拠になる」ともいい、そのため検察側にねつ造もうたがわれると言いました。
真偽がはっきりするまではアラタにも疑いがかかる恐れがあり、真珠と当分面会できなくなるかもしれないので、今のうちに面かいすることを勧められました。
アラタは真珠に会いにいき、当分会えなくなるわけを説明すると自分の本心を真珠に伝えます。
※スピカ・・・乙女座の星の1つ。
感想
第58話ではアラタが真珠に本音で話をします。その姿を見てアラタは本当に真珠のことを愛しているんだと思いました。
アラタだけではなく宮前弁護士も真珠が犯人だと薄々分かっているけれど真珠の言葉を信じてるふりをしているんだと。
真珠は連続殺人犯ではあるけれど、アラタも宮前さんもきっと桃ちゃんも本当の親のような愛で真珠を思っているんだと。
以前、アメリカで沢山の学生が銃で撃たれて亡くなった事件がありました。犯人は確か男子学生でした。彼は生きたまま捉えられました。
この母親は大泣きしながら息子のやったことは許されることではないと言い、それでも自分は息子が生きて捉えられたことに安堵した、殺人犯だとしても彼を愛していると大量の涙を流しながら言っていたことを思い出しました。
アラタは真珠が連続殺人犯でも心から愛しているんだと思いました。
第59話
あらすじ
裁判長の神波さんたちのことろと警視庁に「上申書」が届きました。
検察庁は真珠の誕生日をしらべることにします。犯行時に彼女の年齢が18歳か19歳だったと証明できれば、死刑に持ち込める可能性があると考えました。
※上申書・・・意見や陳述を法的な体裁を取らずに提出するための書類。
※死刑の最低年齢は犯行時に18歳以上。
裁判所に裁判長、裁判官、弁護士、警視庁の5人が集まり「上申書」の内容の確認が行われることになりました。
感想
話が違う方へ進んで行きそうです。まさかのひっくり返しでしたが、真珠が連続殺人犯であることは変わりありませんでした。(今のところ)
真珠の生い立ちが複雑であることがわかり、真珠の秘密も分かりました。
今まであった謎が解き明かされていきました。
その一方で、アラタたちが事件に巻き込まれているような、これからとんでもない事が起こりそうな匂わせもありました。
また、7巻ではアラタが真珠を愛していると認めます。
今までは真珠の裏の顔も漫画の中で描かれていましたが、今回は描かれていませんでした。
それから裁判長の最後の言葉も怖いです。まさか裁判長まで真珠に洗脳されてしまったのか。
このお話、頭が混乱します。
白か黒かというようにはっきり分かるように描かれていません。正直、アラタ達の真意もわかりません。
いったい何を描きたいのかモヤモヤしますが、先に話しが進めば作者の描きたいことも見えてくるかもしれません。
何が起きるのか予測不可能な展開になっています。
第8巻 2022年6月頃発売予定。
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